SiCウェーハ
加工サービス
4H-SiCの研究・試作・パイロットロット向けの薄化、メタライゼーション、イオン注入、アニール、ダイシング。株式会社ナノシステムズJPは、支給または調達したSiCウェーハに対して、単一工程でも、複数工程を一連の工程としてまとめても対応します。対象は、ウェーハ薄化、片面・両面への成膜、オーミック・ショットキー電極の形成、イオン注入と活性化、洗浄、ダイシングです。ご依頼の各工程について、ウェーハサイズ、既存の層、熱的な制約、検査要件を確認します。
12インチは案件ごとに確認
標準的な下限
Ar中・カーボンキャップ
標準的な下限
SiC向けの9つのサービス、単独でも一連の工程でも
SiCは、シリコンと異なる薬液、高温処理、SiCの高い硬度に対応した研削・切断技術を必要とします。各サービスはその違いを織り込んで見積もり、単独でも組み合わせでも、支給基板・調達基板のいずれにも、評価用の1枚からパイロットロットまで対応します。
左右にスワイプして図全体をご覧ください。
モジュールは個別に選択できます。例示した順序は、注入の活性化を熱に弱い金属より前に、薄化をダイシングより前に行う一つのデバイスフローです。お客様のプログラムの順序はお見積り時に確定します。
基板
4H-SiCのn型・半絶縁性ウェーハをプライム・プロダクション・ダミーの各グレードで、4・6・8インチ、面方位・オフ角・ドーピング・エピ仕様に合わせて調達します。12インチはn型・ダミーグレードを要相談で、実現性確認用には大口径ウェーハからの小片切り出しにも対応します。径・導電型・グレードごとの入手可否はお見積り時に確認します。基板を参照。
薄化(バックグラインド)
研削面を管理したSiCウェーハ薄化。Si面のデバイス面を保護しながらC面から除去するか、デバイスがC面側にある場合はSi面から研削します。応力除去研磨、端面処理、洗浄、厚さマップを含み、薄いウェーハはキャリアで搬送します。標準的な下限は100 µmで、100 µm未満は実現性を検討のうえ対応します。ウェーハ薄化を参照。
薄膜成膜
片面または両面への金属成膜。必要に応じて面ごとに異なる積層にも対応します。Ti・Ni・Cu・Al・Mo・Cr・Nb・Ta・Pt・Au・Agをスパッタ(1層あたり10 nm〜2 µm)または電子ビーム蒸着(1層あたり10 nm〜1 µm、リフトオフ対応)で、厚いCu・Ni・Auは電気めっきで成膜します。PECVD酸化膜・窒化膜は1膜あたり50 nm〜5 µm。LPCVD多結晶シリコンとポリイミドは仕様に応じて。材料・方法ごとの範囲は下表に示します。ウェーハメタライゼーション、裏面メタライズを参照。
オーミック・ショットキー電極(個別に検討)
コンタクト構成は、オーミックとショットキーの目的ごとに分けて検討します。積層と熱処理は、導電型、ドーピング、表面処理、既存の膜、要求される電気特性に従います。n型オーミックにはRTAで合金化するNi(共スパッタによるNi-Pt合金はキャリブレーションプログラムとして提供)、p型にはTi・Al系の積層、ショットキーには非合金化の障壁金属を、それぞれ固有の評価条件で扱います。コンタクトデータが必要な場合はTLMまたはCTLM構造を併せてパターニングします。オーミックコンタクトメタライゼーションを参照。
イオン注入と活性化
室温または高温(600°Cまで)でのAl・N・P注入と、カーボンキャップ下でAr中1400〜1800°Cの活性化アニール。条件は注入とウェーハ構造に合わせて選定します。注入活性化とコンタクトアニールは条件を独立に定める別工程で、活性化は熱に弱い金属より前に行います。イオン注入、アニールを参照。
洗浄
RCA(SC1・SC2)、SPM、HF系のシーケンスを、除去対象の汚染とウェーハ上の既存の膜に合わせて選定します。エピ成長前・メタライズ前の受入洗浄や注入後の洗浄を含みます。シーケンスと既存層との適合性はお見積書に明記します。ウェーハ洗浄を参照。
チップへのダイシング
ブレードまたはレーザーで、約3 × 3 mmからの角チップ、10 × 20 mmなどの長方形、1枚のウェーハから複数サイズに切り分けます。MOSFET・ダイオードチップ、テストクーポンに。チップ寸法、ストリート幅、カーフ、寸法公差はお見積書で個別に規定します。ダイシングフレーム上、トレイ、チップキャリアで納品します。ダイシングを参照。
レーザー加工・マーキング
カーフロスの少ないレーザーによる任意外形、円形・異形の切り出し、小口径化(例:6インチウェーハから2インチ・4インチ片)。面識別やIDのレーザーマーキングにも対応します。材料と厚さごとに確認します。ステルス・レーザーダイシングを参照。
パッシベーション・誘電体
デバイスフローの一部としてのPECVD酸化膜・窒化膜、フィールド酸化膜。SiCの熱酸化は案件ごとに検討します。ゲート誘電体は界面評価と電気試験を含めて個別に見積もり、酸化を提供することがゲート酸化膜の適格性を意味するものではありません。
工程ごとの対応範囲
SiCのパラメータはウェーハ径、厚さ、ドーピング、表面状態に依存します。お客様のウェーハに対する値はお見積書に記載します。
工程別の対応ウェーハ径
| 工程 | 4インチ | 6インチ | 8インチ | 12インチ |
|---|---|---|---|---|
| 基板供給(4H-SiC) | 標準 | 標準 | 標準 | 案件ごと(n型・ダミー) |
| 薄化 | 標準 | 標準 | 標準 | 案件ごと |
| 薄膜:スパッタ・電子ビーム・PECVD | 標準 | 標準 | 標準 | 案件ごと |
| 電気めっき | 標準 | 標準 | 標準 | 案件ごと |
| 電極形成とRTA | 標準 | 標準 | 標準 | 案件ごと |
| イオン注入 | 標準 | 標準 | 標準 | 案件ごと |
| 1800°Cまでの活性化アニール | 標準 | 標準 | 案件ごと | 案件ごと |
| 熱酸化 | 標準 | 標準 | 案件ごと | 案件ごと |
| 洗浄 | 標準 | 標準 | 標準 | 案件ごと |
| ダイシング・レーザー加工 | 標準 | 標準 | 標準 | 案件ごと |
「標準」は公開している範囲でお見積りします。「案件ごと」はお見積り前に、対象のウェーハと工程について確認します。小片と2インチは要相談です。
代表的な範囲と受入基準
| パラメータ | 標準 | 受入基準・備考 |
|---|---|---|
| 基板 | n型・半絶縁性4H-SiC。プライム・プロダクション・ダミー。Si面またはC面研磨、エピは仕様に応じて | 調達ウェーハには基板CoCを添付。支給ウェーハは受領したデータに基づきます |
| 薄化 | 標準的な下限100 µm。研削面はSi面またはC面。応力除去研磨、端面処理 | 平均厚さは研削後±5 µm、研磨後±3 µmが目安。TTV・bow・warpの限度は案件ごとに合意。100 µm未満は実現性を検討 |
| スパッタ金属 | Ti・Ni・Cu・Al・Mo・Cr・Nb・Ta・Pt・Au・Ag。1層あたり10 nm〜2 µm。片面または両面 | 膜厚は同一ランのモニタークーポンで測定。ウェーハ上の均一性マップはご要望に応じて |
| 電子ビーム蒸着金属 | Ti・Ni・Pt・Au・Al。1層あたり10 nm〜1 µm。リフトオフパターニング | 測定オプションは同上。リフトオフの位置精度はオーミックコンタクトのページ参照 |
| 電気めっき金属 | ミクロン単位の厚さが必要な場合のCu・Ni・Au。厚さは仕様に応じて | 案件ごとに検討 |
| PECVD誘電体 | SiO₂・SiN・SiON。1膜あたり50 nm〜5 µm。150〜400°C | 膜厚と屈折率はエリプソメトリーでご要望に応じて |
| 熱酸化膜・ゲート誘電体 | SiCの熱酸化は案件ごとに検討 | 界面評価と電気試験は別途見積もり。標準では適格性を確認したゲート酸化膜ではありません |
| 多結晶シリコン・ポリイミド | LPCVD多結晶シリコン。ポリイミドはグレードに応じたキュア | 厚さは仕様に応じて |
| オーミック電極 | n型にはNi(共スパッタによるNi-Pt合金はキャリブレーションプログラム)。p型にはTi/Al系。Ti/Ni/AuまたはAuのオーバーレイ。リフトオフまたは金属エッチング | 固有接触抵抗ρc(Ω·cm²)はTLMまたはCTLM構造でご要望に応じて測定。ドーピング・表面処理・アニールに依存 |
| ショットキー電極 | Ti・Ni・Moなどの障壁金属。非合金化または軽いアニール | 目標の障壁高さ、理想係数、測定条件をデバイスごとに合意 |
| イオン注入 | Al・N・P。室温または600°Cまでの高温注入。エネルギーに応じて酸化膜またはレジストのマスク | ドーズとエネルギーはプロファイルごと。活性化後のシート抵抗はご要望に応じて |
| 活性化アニール | カーボンキャップ下でAr中1400〜1800°C。時間・昇温はレシピごと。キャップ除去を含む | 活性化はロットごとにシート抵抗またはホール測定で確認(ご要望に応じて) |
| コンタクトアニール | 通常900〜1050°CのRTA、レシピに応じてN₂またはAr | 活性化とは別工程 |
| 洗浄 | RCA(SC1・SC2)・SPM・HF系 | 汚染と既存の膜に合わせてシーケンスを選定し、お見積書に明記 |
| ダイシング | 約3 × 3 mmからの角チップ。長方形、1枚から複数サイズ。ブレードまたはレーザー | チップ寸法、ストリート幅、カーフ、寸法公差は個別に規定。エッジチッピングの基準はロットごとに合意 |
| レーザー加工・マーキング | 任意外形、円形片、小口径化、マーキング | 材料と厚さごとに確認 |
| 納品形態 | ウェーハは単枚ケースまたはカセット、チップはフレーム上・トレイ・キャリア | ロットごとに検査報告書。基板CoCは入手可能な場合 |
薄化と裏面メタライズ
完成したデバイスウェーハに対する代表的な裏面プログラムです。Si面のデバイス面を保護しながらC面から研削し、応力除去研磨、端面処理、洗浄の後に厚さマップを取ります。裏面に電流を流す場合は、薄化後のウェーハと表面側の熱予算に合わせた条件で、Ni系の裏面オーミック電極を先に形成・アニールし、その後にダイアタッチ用のTi/Ni/AgまたはTi/Ni/Au仕上げを成膜します。薄いウェーハはキャリアまたは単枚ケースで搬送します。
左右にスワイプして図全体をご覧ください。
模式図(縮尺は実際と異なります)。初期厚さ・最終厚さ、研削面、電極構造、仕上げ積層は案件ごとに設定します。
電極界面と熱処理の順序
オーミック電極と仕上げ金属は、目的の異なる別々の層です。n型SiC上に成膜しRTAで合金化したNiが電気的な界面を形成し、表面のAuまたはAlのオーバーレイ、裏面のTi/Ni/Ag仕上げが、ワイヤ・クリップ・はんだへ電流を運びます。順序は熱予算で決まります。注入と活性化を先に、次に電極のRTA、その後にオーバーレイと仕上げを形成するため、熱に弱い金属が活性化アニールにさらされることはありません。
左右にスワイプして図全体をご覧ください。
SiC上のn型オーミックスタックの一例(模式図)。ショットキーおよびp型のスタックは異なり、層構成と膜厚は案件ごとに設定します。
メタライズ済みテストクーポンとダイシング
SiCで多いご注文は、ウェーハ全面に金属膜を成膜し、チップに切り分けてそのまま使える状態で納品するものです。3 × 3 mmまたは5 × 5 mm角チップへのTi/Ni/AuやTi/Pt/Au、Niのコンタクトパターン、薄化ダイへの裏面Ti/Ni/Agなど。膜厚は同一成膜ランのモニタークーポンで測定し、ロットに添付して報告します。これは成膜した厚さの記録であり、ウェーハ面内の均一性をそれだけで示すものではないため、必要に応じてウェーハ上の膜厚マップ、XRR、断面SEMを別途見積もります。チップは、その後のダイハンドリングと組立のためにダイシングフレーム上で、または選別してトレイ・チップキャリアで納品します。
左右にスワイプして図全体をご覧ください。
模式図。チップサイズ、外形、納品形態はお見積り時に確定します。
標準で測定する項目と、ご要望に応じた項目
| 項目 | ロットに含まれる | ご要望に応じて |
|---|---|---|
| 薄化後の厚さ | 平均厚さと厚さマップ | TTV・bow・warpの報告 |
| 膜厚 | 同一成膜ランのモニタークーポン | ウェーハ上の膜厚マップ、XRR、断面SEM |
| 膜特性 | 外観検査 | シート抵抗、応力、屈折率、テープ密着試験 |
| 電極 | 積層とアニールの工程記録 | TLM・CTLM構造によるρc、ショットキー構造のI-V |
| 注入・活性化 | ドーズとエネルギーの記録 | シート抵抗、ホール測定、SIMS |
| チップ | 外観検査とサイズごとの数量 | エッジチッピングのAOI、合意した基準に基づく寸法検査 |
| 書類 | ロットごとの検査報告書。調達ウェーハには入手可能な場合に基板CoC | お客様指定の報告書式 |
納品形態:ウェーハは単枚ケースまたはカセット、薄いウェーハはキャリア上、チップはダイシングフレーム上または選別してトレイ・チップキャリアで納品します。
SiC加工のご注文が多い分野
パワーMOSFET・ダイオード試作
エピ成長後の縦型デバイスプログラム向けの電極、注入、アニール、薄化、裏面金属の各モジュール。
ショットキー・JBSダイオード
個別に評価する非合金化障壁金属、終端構造の注入、裏面オーミック電極。
半絶縁性SiC上のRF
RF・マイクロ波テスト構造向けの半絶縁性4H-SiC基板とメタライゼーション。
高温センサー・MEMS
シリコンでは使えない温度域で動作するセンサー向けの、SiC上の薄膜成膜、電極形成、ダイシング。
メタライズ済みテストチップ・クーポン
接合・ダイアタッチ・材料試験向けに、3〜10 mm角に切り分けたSiC上のTi/Ni/Au、Ti/Pt/Au、Niパターン。
大学・研究機関のロット
工程記録付きの1枚または小片。工程条件を記録し、リピート注文に対応します。
SiCのお見積もりのために
| 項目 | あると助かる情報 |
|---|---|
| ウェーハ | 径、厚さ、Si面かC面か、オフ角、n型・p型ドーピング、エピ厚とドーピング、既存の膜・金属、キャリアの有無、許容される裏面ダメージ |
| 工程リスト | 上記のどのサービスをどの順で行うか、すでに済んでいる工程 |
| 成膜 | 面(表・裏・両面)、面ごとの積層と膜厚、方法のご希望、膜厚の受入基準と測定方法 |
| 電極の目標 | 金属のご希望、目標固有接触抵抗、許容アニール温度 |
| 注入 | イオン種、エネルギー、ドーズ、マスク種別、活性化の要否 |
| 薄化・チップ | 最終厚さと研削面。チップサイズ、フラットに対する向き、サイズごとの数量、フレーム・トレイ・キャリアのいずれで納品か |
| 受入基準 | 厚さ公差、TTV、反り、膜厚均一性、チップ寸法、チッピングの限度。必須の測定項目 |
| 数量と段階 | 実現性確認用の小片、試作ウェーハ、パイロット。希望納期 |
発注前に確認されることの多い質問
対応するSiCウェーハ径は?
薄化、薄膜、電極、イオン注入、洗浄、ダイシングは4・6・8インチの4H-SiCを標準とします。12インチは案件ごとに確認し、調達はn型・ダミーグレードに対応します。8インチと12インチの1800°C活性化アニールは案件ごとに確認します。実現性確認用の小片も受け付けます。
SiCはどこまで薄くでき、どちらの面から研削しますか?
標準的な下限は100 µmで、100 µm未満は実現性を検討のうえ対応します。研削面はデバイスに応じて選び、Si面のデバイス面を保護しながらC面から、デバイスがC面側にある場合はSi面から研削します。
表と裏に異なる膜を成膜できますか?
はい。面ごとに積層と膜厚を変えられます。たとえば表面にNiのコンタクトパターン、裏面にTi/Ni/Agといった構成を、アニール工程に合わせた順序で行います。
1800°Cの活性化アニールは可能ですか?
はい。カーボンキャップ下でAr中1400〜1800°C、時間・昇温・キャップ除去は注入とウェーハ構造に合わせて設定し、注入プログラムの一部または単独工程として対応します。
SiCに使用するコンタクト金属は?
n型オーミックにはRTAで合金化するNiを使用し、共スパッタによるNi-Pt合金はキャリブレーションプログラムとして提供します。p型にはTi・Al系の積層、ショットキーにはデバイスごとに検討する非合金化の障壁金属を使用します。固有接触抵抗と障壁特性は、ご要望に応じてTLM・CTLM・ダイオード構造で測定し、ドーピング・表面処理・アニールに依存します。
チップはどのように納品されますか?
その後のダイハンドリングと組立のためにダイシングフレーム上で、または選別してトレイ・チップキャリアで納品します。約3 × 3 mmからの角チップ、長方形、1枚のウェーハから複数サイズに対応し、寸法と公差はお見積り時に確定します。
SiC加工の見積もり依頼
通常1営業日以内にご連絡します。
プロセス要件・基板・生産数量をお知らせください。株式会社ナノシステムズJPのエンジニアが通常1営業日以内にご連絡します。正式なお見積書は、必要な情報の受領および事前に必要なNDAの締結後、通常7〜10営業日以内にご提出します。